インタビュー
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- 溶解班
溶解班は、鋳物の素材となる溶湯(溶けた鋳物材料は“湯”と呼ぶ)を製造しています。鋳物は製品によって必要な溶湯の量も、成分配合も異なります。炉に材料を投入して溶かすという、一見同じ作業をしていても、作っている素材の中身はさまざまです。成分配合が指示を満たしているか、発光分光分析装置(カントレコーダー)や熱分析装置(CEメータ)で確認した後、鋳込み(鋳型に溶湯を流し込む)作業の現場へ出湯します。
鋳込みの温度も製品で違うので、鋳込み現場が炉から遠い場合、現場へ運ぶ間の温度低下に配慮して出湯する温度を調整します。温度のデータなど全て記録されていますが、温度低下はその時の気温や出湯量、運搬容器の状態などにも左右されるので判断が難しく、適切な温度で鋳込み現場に運べたときは達成感があります。
私は入社18年目。入社2年ほどで溶解班にきた頃は、仕事は自分で見て覚えるという時代でした。そんな経験も踏まえて、自分もまだわからないことはありますが、後輩には自分の知識や技術など全部教えたいと思っています。笹谷工業は鋳物を一貫生産しており、溶解だけでなく多様な製造の現場があります。鋳物に少しでも興味がある方はぜひ挑戦してほしいです。
私は工業高校出身で、鋳物の基本的な知識を少し高校で学んだことがありました。たまたま笹谷工業の求人情報を見つけて、ちょっと会社をのぞいて見ようと気軽に訪ねたことが入社のきっかけです。入社してまず造型班で1年半、その後、溶解班に配属となり2年半ほどです。
溶解作業に取り組み始めた当初は、ちんぷんかんぷん状態(笑)。指示書に並んでいる記号が一体何の成分なのか全然わからない…そんなレベルからのスタートでした。わからないことは遠慮せず班長や先輩たちに聞いて目の前の仕事をこなし、経験を積み重ねながら仕事を覚えていきました。班長からは本当にひとつひとつ丁寧に仕事を教えてもらい、わかること、できることが少しずつ増えていくとともに仕事の楽しさを感じられるようになりました。
鋳物の製造工程の中では、素材の成分配合が正確なことや、鋳込み温度が適正なことは、きちんとできて当たり前です。しかし品質の良い製品を製造するために欠かせない、この重要な“当たり前”を、溶解班は支え続けているのだと思います。今後、新しく入社してくる後輩ができたら、今度は自分がしっかりと仕事を教えられるようになることが今の自分の目標です。